はじめに

このページでは、MMDで静止画を制作する方法について解説します。
ニコニコ静画に静止画を投稿することを目標に解説を進めていきます。


▲完成イメージ

○用意するモデル

街並みモデル 勝川浦駅 Link
車両モデル ND60 Link
空のモデル
(スカイドーム)
スカイドームいろいろ詰め合わせLink
ページ下部のスカイドーム>スカイドームいろいろ詰め合わせ(アクセサリ)からダウンロード

まずは手始めに、上の表にあるモデルデータをダウンロードして下さい。
それでは制作に入ります。

街ステージの読み込み

まずは背景のメインとなる街ステージの勝川浦駅モデルを読み込みます。

「kachigawaura_Station2.pmx」をドラッグ&ドロップで読み込みます。
すると以下のようなモデルが現れます。

なんだかよくわからないものが出てきました。
これはドアや窓など街ステージの中でも動かせる部分のみの3Dデータです。
街ステージは大きいので一つのpmxではまとまりきらずにいくつか分割されている場合が多いです。

では、残りの部分はどこかというと・・・

pmxに引き続いて、xデータも読み込みます。
xデータも3DCGの拡張子で、MMDではドアや窓など動かす箇所がない3Dモデルはxデータで作られています。
MMDで使用できる3DCGデータは主にこのpmxとpmdとxの3つだけで、まとめると・・・

pmxデータ 車両や人物モデルなど、ドアや窓、手や足など動かせる箇所がある3Dデータです。
pmdデータ pmxの前バージョンです。古いモデルなどはこのタイプです。使い方はpmxデータと全く一緒です。
xデータ 線路や道路、人物モデル用のマイクなど、基本的に動かす部分が無い3DCGデータです。全体的な位置や大きさの調整は可能です。

続いて先ほどと同じく「kachigawaura_Station.x」をドラッグ&ドロップで読み込みます。


すると、このように街ステージすべてが読み込めます。

前回と同じく、まずは「カメラ編」のボタンをクリックしてカメラ操作モードへ切り替えます。

すると、なんだか白っぽくなってしまいました。
これは「地面影」というもので、真っ平らな地形のためのものです。
しかし、鉄道のある街ステージは階段やホームの段差など地形の起伏がある場合が多いので、基本的にこの「地面影」の機能は使いません。
というわけで、この地面影を消します。


左上のメニューから、表示>地面影表示(S)をクリックします。
これで地面影が消えてくれます。

さて、これで地面影が消えましたが、まだ不自然な箇所があります。

画像にあるような緑の棒や地面のアミアミは座標軸と呼ばれるものです。
3Dモデルの調整時には重宝しますが、動画や静画作成時は邪魔になってしまうので、これも消します。
右上にある「座標軸」のボタンをクリックします。


これで街ステージの読み込みが完了しました。

車両モデルの読み込み

続いて車両モデルを読み込みます。
前回と同じように「ND601_v002.pmx」をドラッグ&ドロップで読み込みます。

読み込みが完了すると下のような画面になります。

とりあえず「カメラ編」のボタンをクリックしてカメラ操作モードに切り替えます。

カメラ操作モードに切り替えたら駅の全体が見える位置に移動して状況を把握します。
とりあえずここでカメラ登録をします。

続いて、車両を線路に載せます。

左下にあるモデル操作のメニューからND60モデルを選びます。
別の方法として、モデル編のボタンをクリックして選択する方法もあります。
複数のpmxデータを読み込んだ際は、モデル操作のメニューからモデルを選択できます。
これで再びND60のモデル操作モードになります。

全ての親ボーンを選択してモデル全体が動かせるようにした後、まずはY回転で線路と平行にします。
ドラッグしながらだいたい線路と平行にする・・・というやり方でも全然問題ないのですが、後々で位置調整がしやすくなるのでY回転だけは正確に90°ジャストにします。
しかし、ドラッグでぴったり90°にするのは至難の業です。
その場合は数値で設定します。

これで正確に車体が90°横になりました。
続いて線路に載せていきます。


X軸アイコン(←コレです)をドラッグして線路と大体同じ位置に持っていきます(微調整はあとでします)

Y軸アイコン(←コレです)をドラッグして線路と大体同じ高さにモデルを持っていきます

さて、これで大体の位置が合いましたが、できればもう少しちゃんとレールに乗せたい場合もあるかと思います。
その場合は以下の方法でモデルの位置の微調整をします。

まずはモデルにチェックを入れます。
これによりモデル操作モードに限り、モデル基準でカメラが動いてくれます。

まずは右面ボタンをクリックします。
これでモデルの全ての親ボーンを90°横から見た視点になります。
そして、右上にある虫眼鏡アイコンと十字矢印アイコンをドラッグしながら視点を車輪と線路が見える位置にします。

車輪と線路が見える位置にしました。
やはり大まかにしか合わせていないため、車輪と線路の位置が合っていません。
再びX軸アイコンとY軸アイコンで車輪と線路が合うようにします。

線路と車輪が合う位置になったらキーフレーム登録します。
Y回転は正確に90°に合わると位置調整に便利なので数値で合わせましたが、それ以外のX軸方向やY軸方向の位置は大体合っていれば問題ありません。

これで車両モデルの読み込みと位置合わせが完了しました。
続いてスカイドームの読み込みです。

スカイドームの読み込み

さて、街ステージと車両モデルは読み込めましたが・・・
空が真っ白です。


これでは不自然なので空のモデル(スカイドームと言います)を読み込みます。

読み込んだら空が出てきました。
これで完成・・・といきたいのですが

背景の山が消えてしまっています。
そしてなんか海も陸の近くで途切れた感じになってしまっています。

俯瞰してみるとわかるのですが、街ステージに対してスカイドームのモデルが小さいため、このような不自然な感じになってしまうのです。
解決策として、スカイドームモデルを大きくします。

右下にあるアクセサリ操作のSi(サイズの略語)の値を30にします。
これでモデルの大きさが30倍になります。
これで背景の山が表示されるようになりました。
これで一件落着・・・といきたいのですが

窓ガラスの向こう側にある青空が表示されていません。
3DCGの描画計算で、半透明材質があるとこのようにおかしなことになってしまう場合があります。
その場合は、計算順序を入れ換えると上手くいきます。

左上のメニューから背景(B)>アクセサリ編集(S)を選択します。

そして上ボタンをクリックして青空.xを一番上にします。
スカイドームモデルは基本的に一番上にしておけば間違いはありません。

さぁこれで完成・・・のはずなのですが

今度は電柱が表示されなくなってしまいました。
これは先ほどのアクセサリ編集の数字が影響しているのです。


アクセサリというのはxデータのことです。モデルというのはpmxやpmdデータのことを指します。
そして窓ガラスのあるのは「Kachigawaura_Station2.pmx」でした。
つまりこの場合だと1番目以降のアクセサリはモデルの後に描写されるので

1:青空.x
2:モデル(pmxデータ)
3:Kachigawaura_Station.x

という順番で3Dモデルが描写されています。
窓ガラスなど半透明材質のあるのは「Kachigawaura_Station2.pmx」の方なので、それ以降に描写された電柱などのモデルがある「Kachigawaura_Station.x」は表示されなくなってしまうのです。
これを解決するためには

1:青空.x
2:Kachigawaura_Station.x
3:モデル(pmxデータ)

という順番にしてやればOKですね。
再びアクセサリ編集を開いて

よって、2番目のモデル(=Kachigawaura_Station.x)より後にモデル(=pmxデータ)を描写させます。
すると表示がこうなります。

これで無事に青空と電柱の両方が表示されました。

まとめると
青空など遠いところにある3Dデータは描写順を上の方に、半透明材質のある3Dデータは描写順を下の方へすれば正しい表示になります。

影の設定

さて、描画順も整いましたので、あとは細かい仕上げに入ります。

街ステージの影を表示させます。

影を表示させるにはアクセサリ操作の「影」のチェックボックスにチェックを入れます。
すると影が表示されるようになります。
チェックを入れたら登録ボタンをクリックします。
これだけでもいいのですが、さらに影の描写範囲を大きくします。

セルフ影操作のモード2を選択します。
モード2は広範囲にわたって影を描写するモードで、鉄道など大きなものを表示させる場合は基本的にモード2を使います。
モード2にしたら登録をクリックします。
これで影の設定は完了です。

光の設定


これで完成でも良いのですが、折角なので車両の顔に光を当ててみましょう。

照明操作のXYZのスライダーをいじって光の向きを変えます。
この辺は実際に触りながらのほうがわかりやすいかと思います。

続いてディーゼル機関車のヘッドライトを点灯させます。

モデル操作モードに変更します。
右下にある表情操作に「後ヘッドライト」というモーフがあるので、そのスライダーを一番右まで動かします。
するとモデルのライトが光るようになりました。
光ったら登録ボタンをクリックします。
ちなみに、ヘッドライトの他にも色々と機能がありますのでいじってみて下さい。

最後にカメラ編をクリックしてカメラ操作モードに切り替えれば完成です。

静止画の保存

さて、この静止画を画像データにしてみます。
まずは、画像サイズの大きさを決めます。

左上のメニューにある表示>出力サイズをクリックします。
すると以下のようなウィンドウが出てきます。

単位はピクセルです。
ここで画像サイズが決定されます。
ボクはニコニコ静画に上げるときは1280×720で制作しているのですが、この辺は人によってバラバラです。
2015年2月頃にアンケートを採ったところ以下のようなサイズで静止画を制作されている方が多いです。

黄色枠がアンケートで特に使っている人が多かったサイズです。
1280×720か1920×1080くらいで作られている方が多いみたいです。

というわけで、幅を1280、高さを720にします。

また、静止画として保存する前に「美影」ボタンをクリックすると影がくっきりきれいになります。
ただ、動作が重くなるので最後の保存する直前くらいに設定するのが良いでしょう。


左上のメニューにあるファイル>画像ファイルに出力を選択します。

すると保存画面になるので保存先のファイルを選択して保存します。

画像データの形式はjpgを使われている方が多いのでjpg形式で保存します。

保存ボタンをクリックすれば画像が保存されます。
こんな感じにできあがります。

jpgデータなのでそのままニコニコ静画にアップロードができます。
さらにこだわりたい人は左のメニューバーにある「解説リンク集」に色々とテクニックが載っていますので参考にしてみて下さい。

おまけ:作業データの保存

作業途中で保存して明日に続きの作業をしたい場合もあります。
その場合は左上のメニューバーからファイル>名前をつけて保存で作業データの保存が可能です。

2回目以降は上書き保存でOKです。この辺はパソコンゲームと同じですね。

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